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彼(てき)を知り、己を知れば、百戦危うからず
一見簡単に理解できそうで、特に何の価値も感じないような普通の格言。
でも、この格言こそすべての格言の中で最も重い格言であると思います。
自分の能力を知ってる人間がどれだけいるでしょうか?
特定の要因で自分をあたかも天才のように過大に評価し
一度の失敗で自信をなくし自分を過小に評価する。
自分のことですら知るのは難しいのですから
相手のことを知るのはもっと困難なのは言うまでもありません。
相手をそして己を完全に知ることは不可能です。
そして孫子も完全に知れと言っているわけではありません。
百戦百勝の人間なんて現実にいないのだから。
まず自分を知ろうとし、能力を認めること。
こんな簡単に思えることですら多くの人は実行できていないのです。
だからこそ、これを実行するだけでも少数派(勝ち組)に近づける。
ある程度能力を持っていて、自分の能力を過信しすぎている人より
能力がなくても、自分が無能だということを認めて研究し、努力する人のほうが
最後は勝者になるのです。
この格言は孫子の兵法のなかでも最も有名な一説です。
孫子というのは人名ではなく書物の名前。
作者は春秋戦国時代、斉の国の出身の孫武という男です。
孫武は伍子胥(ごししょ)とともに呉王・闔廬(こうりょ)の元で
呉の将軍として仕えました。すぐれた戦略で呉を大国に成長させた功労者の一人です。
晩年は一線を退き、兵法書の作成に余生を費やしました。
この兵法書が有名な孫子の兵法と言われています。
しかし、現在伝わる孫子の兵法は後世の人が手を加えて編纂したもので、
一説ではその人物は三国時代の曹操とも言われています。
ちなみに武田信玄で有名な風林火山は孫子の兵法の一説です。
戦国時代の武将は中国をお手本とし、思想の面でも大きな影響を受けていました。
孫子の兵法に関してはあまり役立つサイトは少ないようで、本に頼るしかなさそうですが
こちらのサイトはとてもお勧めできます→孫子の兵法・完全版 |
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