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極地へのあこがれ
19世紀に入り、一通り大きな大陸の発見が終わると、人類は地球上で一番高いところに
未知の憧れを抱くようになります。それは計測上地球のてっぺんである、北極と南極
そして、最も高い山であるエベレストです。人類には到達不可能とされていた時代に、
これら3大極地に夢を見た探検家たちの物語です。
■アムンゼン ■マロリー ■ヒラリー ■ペアリー
マロリー
(1886年〜 1924年)
世界最高峰エベレストへの人類初登頂の夢・・・
それは、どの国が一番乗りを果たすか、国の威信をかけた戦いでもありました。
特にイギリスは、南極で散ったスコット隊の無念を晴らすためにも
最後の極地であるエベレストだけには何としても旗を立てたいと願っていました。
ケンブリッジ大学卒業後、教師になったジョージ=マロリーは
アルプスに登頂してから山に憧れ、本格的に登山家の道へ進みました。
そして、英国のエベレスト登山隊に参加。
勇敢に仲間を救ったマロリーは正義感の強い性格のおかげもあって
隊員から厚い信頼を得てゆきます。
2回の挑戦で命からがら逃げ帰ってきたマロリーたち登山隊に
記者がどうしてそこまでしてエベレストに挑戦するのかと尋ねました。
そのときマロリーが言ったのが「そこに山があるからだ」という有名な言葉です。
覚えておいていただきたいのは、彼らは、今のスキーウェアよりも劣る防寒着に
鉄の塊のような酸素ボンベを背負ってエベレストに挑んでいたということです。
1924年6月8日。3回目の登頂でマロリーとアービンが最終キャンプ地から頂上へアタック。
ついに人類の悲願達成かと思われましたが、彼らが再び戻ってくることはありませんでした。
人類がはじめてエベレストの頂に立ったのはそれから30年も後のことです。
今でも多くのファンは、マロリーは登頂後に死んだのだ、
彼が最初の登頂者なのだと信じていますが、真実は誰にもわかりません。
実は1999年5月にマロリーの死体が発見されています。
足がねじれて曲がりながらも、這いながら、なんとか登ろうと手をのばしている
(風化して)頭のない死体の写真に、
マロリーはなんて勇敢な人物なんだと、心を打たれました。
悪く言えば、お国のためにどうしても負けられなかったのかもしれませんが・・・
「そして謎は残った―伝説の登山家マロリー発見記」に詳細が載っています。
写真は検索すれば見ることができると思います。
あと、マロリーの伝説が載っている漫画に「神々の山嶺」というものがあります。
これは大好きな漫画なんですが、実際の日本人をモデルにしている
山に命をかけた男の話で、読んだらエベレストに登りたくなります。
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